- 【手帖45】ねこと太陽の光の関係について
- ねこと衣食住 2021-05-09
ねこといえば日向ぼっこをしているイメージが思い浮かぶ生き物です。一緒に暮らしているねこも、晴れている日は窓際でヘソ天をして気持ちよく寝ていることが多いのではないでしょうか?
ねこはなぜ太陽の光が好きなのか?
ねこにとって太陽の光は絶対に必要なのか?
この手帖では、そんなねこと太陽の光の関係について一緒に考えていきましょう。
ねこにとって太陽光を浴びるメリット
その1 体内時計の調整
ねこも人と同じく、太陽光を浴びることで体内時計を調整していると言われています。人と違って「時計」を見て時間を確認することはできないので、体内リズムを整えるうえで日光は大切な役割を持っています。
また、これは発情周期のコントロールにも関係しています。
ねこは特定の時期に繁殖行動をする「季節繁殖動物」です。春になると近所の野良ねこが子ねこを連れている姿をよくみかけることがあります。
季節繁殖動物の中でも日照時間が長い時期に発情する動物を「長日繁殖動物」といい、ねこはこれに当てはまります。
一般的に日照時間が12~14時間以上であると発情行動がみられ、日照時間が8時間以下だと発情はしないといわれています。よって、春から夏にかけて子ねこが生まれることが多いのです。
これは生存戦略でも理にかなっており、気温が低くなる冬より温かい春から夏に生まれるほうが体温調整もしやすく、食べ物も豊富にとれるというメリットがあります。
動物病院でも春先になると子ねこを拾ったと連れてくる方が多くなるので「もうそんな時期だなぁ」と、獣医師さんにとっては春を感じる合図になっているようです。
その2 皮膚や被毛の健康を保つ
太陽光には紫外線が含まれており、殺菌作用・消臭作用があります。また、温かくなることで血行がよくなるので皮膚や被毛を健やかにすることにつながります。
自分の体を無臭に保とうとする綺麗好きなねこにとって、日光浴は相性抜群なのです。
その3 ストレス軽減
ぽかぽかと窓際で日向ぼっこしているねこはとても気持ちよさそうにしていますよね(笑)
程よい温かさ・血行促進により身体的&精神的ストレスが軽減されます。
ねこが日向ぼっこしているときはリラックスタイムです。触りたい気持ちを我慢してなるべく一人にさせてあげてくださいね。
その4 体の乾燥
ねこは体が濡れることをとても嫌がる生き物です。家で飼われているねこではあまり雨に濡れる機会はないですが、お外で暮らしている野良ねこは突然の雨で被毛が濡れてしまうことがあります。
濡れっぱなしは雑菌の繁殖などにつながります。従って、外にいるねこにとって太陽光は天然の乾燥機なのです。
日光浴とビタミンDの関係
人では太陽光を浴びないと、体内のビタミンD合成量が少なくなり骨の発育に異常がでることが分かっています。ビタミンDは体内のカルシウム・リンの濃度を調整する役割があります。
ねこも同様に日光浴によりビタミンDの合成をしているのではないかと今まで言われていましたが、最近の研究では、ねこの場合は日光浴をしてもビタミンDはそこまで合成されないことが分かってきました。
どちらかというと食事によるビタミンDの摂取が大事なので、食事で必要量のビタミンDがとれるように栄養バランスには気を付けてあげましょう。
「総合栄養食」と表記されたペットフードには必要量のビタミンDが入っているので大丈夫です。もし手作り食を与えている場合は、ビタミンDがちゃんととれるような食事になっているか注意が必要です。
逆にサプリ等によるビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症を引き起こし腎臓に負担をかけたり、他の病気につながることもあります。血液検査でカルシウムやリンの値に異常がある場合以外は、余計に与えることは控えましょう。
もし日光浴ができない場合は?
住んでいる環境によっては日光浴があまりできないこともあると思います。たとえば北欧などでは冬の時期は全く太陽がでませんよね。全く太陽の光を浴びなくて大丈夫かな?と私もずっと悩んできました。
結論から言いますと、日光浴が全くできないことで命にかかわる病気になるかというとその可能性は低いです。
ただ、ねこが抱えるストレスや被毛のことを考えると、日光浴に変わるケアを多くしてあげることが必要です。
例えば、
・おもちゃでよく遊ぶ
・キャットタワーなどのアスレチックを用意する
・定期的なブラッシングで被毛の状態を保つ
・体がひどく汚れたり、強い匂いがついた場合はシャンプーをしてあげる
・ビタミンD不足にならないように、総合栄養食をしっかりと与える
・快適な室温を保つ
などの工夫が必要です。
また、日照時間が短いからといって発情を絶対にしないわけではないので、発情行動によるストレスを減らす為にも避妊・去勢手術はしっかり行いましょう。
それでも心配な場合は、人工的に太陽光に近い光を浴びせられるUVライトも販売されているので使用するのもありです。
この手帖を書いている2021年5月現在、私はドイツに住んでいますが、ドイツも冬の時期は日照時間がとても短いです。そこで我が家でも冬の間だけ、UVライトを使っています。
とはいえ、どちらかというと太陽光を浴びられない影響が大きくでるのは人間の方です(笑)したがって、ねこの為に用意するというよりは、一緒に暮らす人間の健康維持と合わせて一緒に暮らすねこも浴びるというスタンスでいいかと思います。
日光浴における注意点
日光浴は良いとお話してきましたが、メリットばかりではありません。注意しなければならないこともあります。
その1 熱中症
夏の日差しは非常に強いので、冷房をいれてあげないと熱中症になることがあります。
少しの間だけと思って、日光浴の為に10分程ベランダにだしたら熱中症になってしまった子もいますので、「これぐらいなら大丈夫」と考える自分のハードルを下げておいて、十分に注意しましょう。
特に長毛種の子は体内に熱がこもりやすいので注意が必要です。長毛種の場合は、夏場の日中は室内で過ごさせてあげましょう。
その2 皮膚がん・皮膚炎のリスク
紫外線にあたりすぎると人と同様に日焼けによる皮膚炎や皮膚がんが起こることがあります。特に被毛が白いねこはメラニン色素が少ないので、紫外線の影響を強く受けやすいです。
白ねこでは日光がよく当たる耳や顔の部分にできる扁平上皮癌の発生率が他の色のねこより高く、紫外線誘発性であると言われています。
色が薄いねこを飼われている場合は窓にUVカットフィルムやカーテンをすることで、強い日差しの時に紫外線を浴びすぎないように工夫してあげられるといいでしょう。
まとめ
ねこと日光浴の関係性について一緒に考えてきましたが、いかがでしたか?
ねこにとって日光浴はストレスフリーで快適な生活を送るうえで重要なものです。日向ぼっこをしている気持ちよさそうなねこを見ることで一緒に暮らす私たち人間も癒されて一石二鳥です。
できるだけ日当たりのいい場所を一緒に暮らすねこの為に確保してあげられるといいですね!